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ナレッジ 第2回
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失敗から学ぶ
1-ヒット商品は反省から生まれる


 いまの日本には○○○というニーズ群があるはず。
 だから「このような仕掛けで商品化すればヒットすること間違いない」と、いろいろな人から話をききます。確実にイケルとの判断が現状認識にあるのです。

 そうやって生まれた企画品はこれまであまた知れず、今日だってたくさんのアイデアが商品化されようとしています。でも、そのうち成功してヒットするのはせいぜい数個、およそ5%程度しか企画が当たりません。試行結果が現状認識にくらべて惨憺たるものになるのはナゼでしょうか。


 まず現状認識そのものが外れていたら、どうしようもありません。
 けれども概して当事者たちには、ニーズの予感というか匂いというか、「なーんか消費者は○○なものや、××ぽいことが欲しいんだよね。
 だってさあ……」という、自己の経験に基づいた鋭いセンサーを持っています。


 ヒットしそうな予感というセンサーすら鈍いようでは、その業界で生きてこれなかったはずです。
 たぶん彼の予感は、だいたいのところ当たっているのです。それが結果としては、往々にして外れてしまうのはナゼでしょうか。企画の大半がカスリもせず、空振りになっていることの現実を直視してみましょう。


 そうすると、経験に支えられ予感は正しかったにもかかわらず、その後の「商品化」までのステップでどこか間違えていたケースが多かったのです。

2-テレビ番組の例です


 21歳から29歳の女性には○○○といった要望が強い。そこで、職場での同僚らとの人間関係をとりあげ、彼女らの心理描写をしてみたい。それもなるべく微妙なところは軽妙に描いてあまりシリアスにせず、サラッと都会的にしたドラマがいいのではないか。

 だとするとキャスティングはこうなるね。さいきんグラビア雑誌でのしてきたAさんを主役にすえ、まわりをBさん、Cクン、Dクンで固めてみようか。
 アーバンな嗜好を出したいので、お台場にできているオフィスが適しているのではないか。


 住まいもやはり臨海の高層マンションにして……。
 こうして当初の企画は現実化されていきます。


 しかし今春始まった新番組のほとんどは、低人気のためにすでに終了させられ、この7月からは急遽、ピンチヒッターが出てきています。まあ、テレビ番組でのヒット率は20%でしょうか。
 配役がよい番組とか、企画が優れていたとかという要素より、ダラダラと見てくれる「茶の間」ファンが大勢いますから。彼らの存在がよくも悪くもテレビ業界を堕落させているという見方もあります。


 いずれにしろ、外してしまった「負け組」にいた人々は、対策を取るはずです。どうしたらいいかと。こうした場合、従来は「勝ち組」の研究をしてきました。どうしてアイツらヒットしたんだろうと。
 自分たちの外れた原因を反省するより、当たったほうのマネに走るのです。


 そうすると次のシーズンは、やっと数字(視聴率)をとれた番組のモノマネばかりが出てきます。あっちもこっちも、どのチャンネルを回しても同じ役者・女優がでていて、似たようなストーリーで味付けも「いつか見たような」ものになっています。
 もっとも怖いマンネリ化の始まりです。現在の地上波はどこもマンネリ状態ですが、それもこれも茶の間のユルイ視聴者がそれを許してきたことと、番組制作者が「反省」せずにモノマネに走ってきたからです。

3-食品開発の事例


 いま食は○○(緑茶とかパスタとか入れてください)の時代だ。だから若者むけに××を作ってコンビニに置いたら売れるはずだ。
 そう考えて、わが社で入手できる具材の確保をし、調理工程を検討してみた結果これで行けるという結論を引きだしたとします。デリバリーはああして・・・。
 結果は、テレビ番組より低いヒット率となります。通常5%いくかどうかです。製造を中断し(カットするといいます)、残った具材はとりあえず冷凍保存し、製造工程のパレットも組み直して、別商品を流し始めます。
 まとまったグロスをいちどきに流せないために、製造単価はどうしても高くなります。利益が薄くなります。


 それよりも不作品ばかりではコンビニのほうから断られてしまいます。


 いまコンビニで常態的に売れている弁当は、意外とたいしたことがないのです。幕の内弁当、のり弁、焼き肉弁当、とんかつ弁当などで、昔からあまり代わりばえしません。それで毎年、「去年はこれが売れたから」と去年のヒット商品を引っ張りだしてきます。


 おもしろいことに、たとえ去年のまんまで品揃えをしても、売上高は85%しか行きません。15%は売れなくなるのです。POSで一生懸命に売上の数値を収集していますが、POSの数字は去年の企画にたいする確認作業でしかないのです。
 ですから、いつでもだいたい売れる商品というのは代わりばえのしない、昔からの弁当群になり、消費者はそれで安心できるものの消費を喚起するにはいかないのです。あれほど元気のよかったコンビニも、いまでは既存店の売上は昨年対比でマイナス成長になっています。

4-では、どうやったら売れるのか


 その答は「反省」です。売れなかったことの失敗から「学ぶ」ことです。けれども失敗を反省するのは、その手法や組み合わせについてであり、萎縮することでは決してありません。反省して、もう二度としませんと言うのではないのです。
 どこに失敗の原因があったか、合理的に分析してみて、同じ過ちを繰り返さないという、過去の失敗からの学習なのです。


 企画段階までは良かった、こう私は感じています。さすが番組制作や弁当という食品のプロです。目のつけどころは狂っていません。視聴者のライフスタイルや世間の「気」の感じ方もたいしたもんです。
 あるいは弁当なら味覚の変化に対する敏感さもさすがです。だのにどうして売れなかったのでしょうか。ヒットしなかったのでしょうか。


 この疑問にたいして私たちは明確な回答を出せます。
 ここでは理論で説明するより、具体的な行動・着手のところから説明します。


 まず、企画がでかかったら、その案をひとつずつ簡単に記述してください。
 いつ(季節や月日)、どういう顧客層に対して、どういう着想で、どんなふうにして(配役や具材)、どう製造し(工程)、どんなヒネリをつけて・・・。
 簡単に一行で記述するのです。難しく書く必要はありません。仲間や他の社員たちにも理解できる社内で通用する言葉で、サラッと説明してください。


 一定の期間をおいて、その結果も書いてください。視聴率や出荷数です。そのときついでに「後書き」として意外な発見や気づいたことがあったら併記します。
 これで、あとは我々の文章解読技術にかけるだけで「失敗」の研究ができます。うまく行ったケースはこうしたことがおこなわれ、失敗したケースでは統計学的にこんなことが発生していたと。


 本当に見事に出ます。
 昨年、弊研究所は数十万件の事故(失敗)の分析をしました。その経験から、こうすればうまくいくこと、ああすれば失敗しなかったこと、どこが失敗を繰り返しているのか、などを丹念に研究し発見しました。
 モノづくりから提供するサービスの向上まで、いろんな事例で私たちは事故と失敗を見つめ続け、過ちを二度と繰り返さないための技術が確立できたことをお知らせします。

5-なにが発見できるのか


 私たちのテキスト解読技術をつかうと、社員が書き込んだ失敗の事例や顧客からの要望をきちんと具体的かつ科学的に処理して、分かりやすく見ることができます。二度と繰り返さないように把握できます。
 分析結果はさまざまですが、これらはその豊富な出力例のひとつです。

A:失敗事例でどうしたことが原因や背景に多かったか
(原因の度数分布は、わが社の強み弱みを見せてくれます)
B:お得意先やターゲット層にたいして、なにが外したのか
(属性によるクロス分析は、多角的な検討が可能になります)
C:時系列と地域分析で比較します
(時間経過で失敗の流れを理解し、時流を掴みます)
D:失敗原因を構造化して理解する
(原因や背景を因子分析により構造化し、どうなっているか判定します)
E:同時になにをしたか、しなかったか併用関係を見ます
(多次元尺度により併用することの原因をわかり、改善できます)
F:最新のニューロ分析で関連図を把握します
(そのテーマに「出現しがち」な原因と、今回やたら出現した原因やそれが出たらオシマイヨ的な原因とにクリティカル分解します)
G:うまく行ったときの環境、背景が理解できます
(ナゼ失敗したか、成功したときはどうだったか分岐分析で明示します)


 このうちD、E、F、Gはどこにもない弊社の最新技術です。DとEは多変量解析ですがFとGはわが社オリジナルです。アメリカの金融工学(デリバティブなどを開発した技術)を駆使し、宇宙工学を進化させたNASAのナレッジです。
 日本の金融が弱かったのはナレッジ知識がなかったことですが、シティバンクは既に顧客を弁別していました。欲しい顧客と欲しくない顧客とに。


 小売業のウォルマートは「ビールの隣でオムツが売れる」法則を発見しました。このように業界内での関連を丹念にみつめ、法則性を発見することが組織活性化研究所の目標なのです。


 私たちは既知情報から未知の価値を創造します。失敗からは成功を生みだします。
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